【秩父で化石採集?】小鹿野町「ようばけ」は家族旅行や子どもの自然体験にピッタリ!
こんにちは😊 埼玉県秩父郡小鹿野町にある、創業117年の老舗 須崎旅館です。須崎旅館の広報りほです。今回は、親子での自然体験にぴったりな、埼玉県秩父郡小鹿野町の「ようばけ」をご紹介します。「ようばけ」は国の天然記念物で、「日本の地質百選」にも選ばれた大露頭(だいろとう/地層の露出のこと)が見どころ。約1550万年前の生物の化石が見つかったりするなど、家族での思い出づくりや子どもの自由研究にも最高の場所です。
目次
1550万年前の地層に感動
透き通る川で水遊びも!
ようばけには、思わず水遊びや生き物探しをしたくなる川が流れています。川の水はとても冷たく、透き通るような透明度。私はようばけに行くと、しばしば時間を忘れてうっとり水面を眺めてしまいます(笑)。周りには、岩の裏に生き物がいないか探している方や自然の写真を撮る方、河原に座ってゆったりしている方など、楽しみ方は人それぞれ。川はそれほど深くないこともあり、子どもが自然と触れ合うにはピッタリの場所ですね。
また、ようばけの対岸には、秩父を代表する大露頭(だいろとう)が広がっており、迫力ある景色を楽しめます。大露頭というのは、岩石や地層が露出している場所のことです。約1550万年前の新第三紀の地層が侵食されてできたもので、高さは約100m、幅約400mにもなります。この大露頭をぼんやり見上げていると、ミルフィーユのように幾重にも重なる薄い層がどれほど前のもので、どれほどの年月をかけてできたものなのだろうと、太古の昔に思いを馳せ、ドキドキしてしまいます。
国の天然記念物
「ようばけ」とは?
ようばけは、その名称の由来がユニークで、国の天然記念物・日本の地質百選にも選ばれている、かの宮沢賢治も訪れた場所です。
「ようばけ」という名称には、秩父ならではの面白い語源があります。ようばけは、小鹿野町から秩父下吉田地区に向けて流れる赤平川の右岸にあり、一帯が崖になっています。昔、秩父地域では崖のことを「ハケ」や「ハケット」と呼んでいました。それで、崖に太陽が当たって輝く様を、「陽(ヨウ)の当たる崖(ハケ)」で「ようばけ」と呼ぶようになったのだとか。実際、私も夕方にようばけに行ったとき、傾いた陽が崖一面に当たっている様子を見ることができました。まるでスポットライトを浴びたかのような黄金色。きらめく大露頭に感動しました。
ようばけは、国の天然記念物・日本の地質百選に選ばれています。ようばけの地層は、約1550万年前の新第三紀、古秩父湾の浅い海底の泥が積み重なって作られています。地層の下のほうは泥質砂岩「奈倉層(なぐらそう)」、上のほうは粗い縞模様の砂岩泥岩互層「鷺ノ巣層(さぎのすそう)」と呼ばれています。これらは「秩父町層下部」と呼ばれ、秩父盆地内の南西部から北東部にわたって広がっています。ようばけの地層の露出状態は珍しく、歴史的価値があります。
大正5年(1916年)には、詩人・作家の宮沢賢治が、盛岡高等農林学校の地質見学旅行でようばけを訪れています。大正6年(1917年)には、宮沢賢治の親友である詩人の保阪嘉内も、地質見学旅行でようばけを訪れました。ようばけを見て、宮沢賢治や保阪嘉内は何を感じたのでしょうか。私たちも、詩人になったつもりでようばけを見ると、また違った楽しみ方ができるのかもしれませんね。ちなみに、宮沢賢治と保阪嘉内の詠んだ歌の碑が、ようばけから歩いて数分の「おがの化石館」の外にあります。ぜひ実物をご覧になってみてください。
ようばけで化石発見!?
ようばけで発見された化石の種類はたくさんあります。
・パレオパラドキシア
・チチブクジラ
・サメ
・ウミガメ
・カニ
・ウニ
・貝
などなど、古代に生きていた生物の化石がたくさん見つかっています。もしかしたら、河原を散歩しているときに化石を発見できるかもしれませんね。私も行くたびに、気になって石をどけてみたり下ばかり向いて歩いています(笑)。
※小鹿野町役場で聞きましたが、残念ながら、河原で化石を見つけてもそれを持ち帰ることは禁止なのだそうです。残念……。また、対岸への立ち入りも禁止されています。崖のそばは落石の危険がありますので、十分ご注意ください。
ようばけから徒歩数分の「おがの化石館」では、ようばけで見つかった化石や世界の化石などの展示を楽しめます。約1500万年前の哺乳類「パレオパラドキシア」の骨格模型や、ようばけの観察できる望遠鏡、屋外には宮沢賢治と保阪嘉内の歌碑など、ここでしか見られないものがたくさん。ぜひ家族の思い出づくりや子どもの自由研究に役立ててほしいです。
「おがの化石館」
ようばけ周辺で
食事や宿泊ができる場所
「とうふ工房 水むら」
「市販のお豆腐には戻れない!」とリピーター続出の豆腐屋さんが、ここ「とうふ工房 水むら」。添加物不使用。秩父産(国産)大豆100%。大島産海精にがりで大豆のうま味と栄養をぎゅっと凝縮。私のおすすめの食べ方は、少しの岩塩とわさびを乗せてそのままパクリ。水むらとうふ本来の味や食感が口の中いっぱいに広がります。ぜひ一度味わってみてほしいです!
「とうふ工房 水むら」
「元六」
お蕎麦・うどん・ご飯もの・おつまみ・甘味・ドリンクなど幅広いメニューを楽しめるのが、ここ「元六」。秩父の定番グルメわらじカツ丼。小鹿野で獲れた鹿肉を楽しめる元鹿丼(げんろくどん)。全粒粉を使った自家製麺。平成の名水百選の「毘沙門水」を使ったかき氷。どれも一度は味わって頂きたい一品です。夜の部も17時から21時までの営業。秩父や小鹿野観光の際は、ここでゆっくり食事をお楽しみください。
「元六」
「元六」さんは、こちらのわらじカツの特集記事でも取り上げています。
「泉蕎庵 とみた」
香が良くコシのある細めのそばが美味しい、ここ「泉蕎庵 とみた」。地元民からも観光客からも愛される、どこか懐かしいおそば屋さん。甘めのタレでいただく秩父グルメ「味噌ポテト」も絶品。ボリューム満点で、よく食べる男性も大満足です。小鹿野町のほっこりとした料理と店内の雰囲気に癒されること間違いなしです。
「泉蕎庵 とみた」
ようばけまでのアクセス
〒368-0102 埼玉県秩父郡小鹿野町長留
車での行き方
ナビ入力:「おがの化石館」〒368-0101埼玉県秩父郡小鹿野町下小鹿野453
「おがの化石館」の駐車場に車を停め、徒歩約3分でようばけです。
公共交通機関での行き方
- 西武鉄道「西武秩父駅」、秩父鉄道「秩父駅」から「西武観光バス『小鹿野車庫・栗尾行き』」に乗車、約30分で「泉田バス停」到着
- 「泉田バス停」を下車し、徒歩約20分で「おがの化石館」に到着
- 「おがの化石館」から徒歩約3分で「ようばけ」に到着
「おがの化石館」から「ようばけ」まで
「ようばけ」を
楽しんだ後の癒やし
今回は、親子の思い出づくりや自然体験にぴったりな、埼玉県秩父郡小鹿野町にある「ようばけ」をご紹介しました。ようばけでたっぷり遊んだ後は、須崎旅館の温泉で汚れと疲れを落とし、美味しい食事をお楽しみください。